その声だけがはっきりと耳に届いた。 止まりかけた足をまた、動かす。 ゴールまであと少し。 あと…数メートル。 もう2位でもいい。 2位でも県大会には行ける。 でもあたしがゴールラインを踏む寸前、誰かの足がゴールラインを踏んでいた。 そして、程なくあたしの意識は途切れた。