それは、徐々にあたしをおかしくしていった。
序盤はなるべくペースを抑え、先頭集団の後ろの方を走っていた。
十分、後半でトップにいる自信があったからだ。
そして半分走ったところで4人ほど抜き、2位になった。
1位の後ろを走る。
それでもまだペースを抑えめで。
いつもなら余裕…な、はずなのに。
どうしてだろう。
足が重い。
でもかろうじて1位の子を抜く。
視界が歪む。
え…なんなの、これ。
足下がフラついた。
さっきまで聞こえていた歓声がふっと聞こえなくなった。
なに…これ…
尋常じゃない量の汗が噴き出す。
ちょっと…待ってよ…
足が止まりかける。
そのとき、聞こえた声。
「止まるな!
止まったら終わりだぞ、ひなたぁー!!」

