「日向ってさ、まったく罪悪感なさそうだよな」


そうボソッと呟かれる。


え?え?

罪悪感?

何に対して…?



「ほら、その顔。

俺が傷ついてるってことに全く気がついてない。」


傷ついてる…?

湯川が…?



「ごめん!ホントに!

そんなつもりじゃなくて、ですね…」


両手を目の前で合わし、謝る。



「それより前見て歩け。

転ぶぞ」


湯川の言葉と同時に木の根っこにつまずくあたし。



「………う゛わぁ」


自分でも笑えるくらいヘンな声が出る。


痛い…!

あ、いや、痛くない。



転んだはずなのにまったく痛みを感じない。


ぎゅっと瞑った目を恐る恐る開けた。




「…………大丈夫か?」