【パンッ】


ちょうどピストルが鳴った。



「これ、圧勝だな」

そう呟くと


「当たり前じゃん。

今までを貴斗は知らないから驚くかもだけど日向は地元じゃ負けなしで有名なんだよ?」

アキはそう言って日向を見つめている。


日向はしょっぱなから飛ばしていく。

たぶん、このスピードで最後まで行くんだろう。


部活のトレーニングも俺の自主練にも付き合ってる日向の体力なら余裕なんだろう。



「ほら、もうラスト1周だよ」


2位とかなりの差をつけ独走状態。


頑張れ、なんて言う必要もなかったか。