「なんか…そう言ってもらえて嬉しい。
伝えられなかったけど、でも裕実との思い出は全部、いい思い出だったって胸張って言える気がする。」
湯川は立ち上がる。
「俺、お前にならどんな姿でもさらけ出せる気がする」
「は?何それ」
どんな姿でも、ってどういう姿見せようとしてるの?
「ダサイ俺でも
カッコ悪い俺でも
どんな俺でも日向には見せられる気がする」
それは…どういう意味だろう。
イマイチ、分からない。
「日向。
俺、裕実のことはもう振り返るのやめる」
「うん」
「そう思えたの、お前のおかげだから」
「…うん」
「夏の大会、俺より先に負けるなよ。
一緒に全国に上り詰めようぜ」
「うん」
なぜか「うん」としか答えられなくなっていた。
涙が溢れそうだったんだ。
湯川の言葉が嬉しすぎて。