「湯川?」 練習も終わり、用具の片付け中。 正門の前に湯川らしき人を見つけた。 実は湯川、このところまったく練習に参加していない。 大会まであと1週間なのに。 きっと、あの日に何かあったんだ。 裕実ちゃんのところに行ったあの日に。 「ちょっとごめん!」 持ってた用具を後輩に預け、走って門を出る。 湯川が歩いて行ったほうを見るとちょうど角を曲がるところだった。 「……………ゆかわっ!」