「………………」


再び湧井日向の意識はどこかへ飛んでいってしまったのだろうか。



「大丈夫か?おーい?」


目の前で手を振ってみる。

でも反応なし。



「湧井日向?生きてる?」

瞬きもしないコイツは何を考えているんだろう。



「………湯川くん」


「なに?」


自分から呼びかけてきたくせにそれからなぜか沈黙。

マジで大丈夫か?コイツ。



「いや、なんでもない!

ってかうちの部、入ってくれるの?」


湧井日向はそう言いながら歩き出した。

なんだ、ちゃんと案内してくれるんだ。



「あ…うん。まあ…?」



「そっか~

ただ、うちの部の練習量…他の学校と比にならないくらい大変だから頑張ってね?」


コイツ、まだ俺がどういうやつなのか気づいてないな。