「湯川!追いかけないの?!」


日向のその言葉で我に返った。


裕実…なんで泣いてたんだよ。

どうして…お前がここにいるんだよ…



「早く行かないと遠くに行っちゃうよ?」


日向に押されるようにして俺は走り出す。


裕実と一緒にいたのは裕実の親友の林だ。


まさか裕実がこっちに来てただなんて…


走りながらポケットを探り、携帯を取り出す。


開くと最初に


『不在着信5件』


の文字が目に入った。


そう言えば裕実、何度も携帯鳴らしたのに、って言ってたっけ?


なんで俺…気づかなかったんだよ。

気づいてたら、こんなことにならなかったかもしれないのに…