「何ナンパなんてされてんだよ」
さっきの2人組の男を追い払った湯川は溜め息をつきながらあたしの隣に座った。
「別にされたくてされたワケじゃない」
どうしてあたしは素直にありがとう、って言えないんだろうか。
「とりあえず気をつけろよ。
一応女の子なんだから」
「一応は余計」
バーカと言われる。
バカ…だよね、ホントに。
あんなのに絡まれるなんて。
「はい、やるよ、これ。
さっき殴るときに落としちゃたけど中は大丈夫だと思うから」
湯川に差し出された袋の中にはお茶と焼きそば。
「俺のおごり。
腹、減っただろ?」
え…
湯川、あんたってやっぱり…いいヤツなの?
「あ、ありがと…」
今度は素直にお礼が言えた。
にしてもいったい、湯川はどういうヤツなんだろう。
クールで周りを寄せ付けなくて。
足は速いし、頭はいいし。
でもすぐに機嫌悪くなったりして。
かと思えばこんな紳士的なことをしてくれる。
3ヶ月近く一緒にいるのに全然湯川のことが分からない。

