あたしが肩を落としていると、彼方が机に伏せた顔をちょっとあげて、 「―……間に受けんなよ。ばーか」 と言った。 視線を合わせないで、頬を赤く染めながら言う彼方を見て、胸がキュンと締め付けられた。 「な、なによぉ…」 動揺しながら、彼方の細い体を後ろから抱きしめた。 「―…彼方のばか」 「……」 トクントクン…と、彼方の静かな鼓動が聞こえた―。