《○○駅ー…○○駅ー…》 降りる駅のアナウンスがなり、プシューとドアが開くと、俺はすぐに走りだしていった。 改札を抜け、見なれた、でも懐かしい街を走り抜ける。 そして―――…… 「天宮」の家。 ばあちゃんち―――。 奈々が絶対に居ると思ってきたけれど、いざここに立つと半々くらいだった。 居てほしい。 そう願って天宮の家に足を踏み入れた。