ピッと電話を切る。 …にしても、糸田の言葉は謎が多かった。 けれど今は、その謎を気にするより先に、一刻も早く奈々を探しに行こうと思った。 なんだかわかんねえけど…。 どうしようもなく、奈々に会いたい。 なんだかんだ言って… ずっとそばにいたんだ。 由実夏と居ても、同じ”教室”という空間の中に、奈々は居たんだ。 家に帰っても必ず居て…それで、俺は安心していた。