空は薄くて、もう秋になっていた。 秋の空は、なんだか淋しい。 薄い空はいつもより遠くて、 私は地上にひとりぼっちみたいだ。 目線を下げると、すぐに見つかる、見なれた立ち姿。 落ち着いた茶髪に、スラッと高い身長。 爽やかに着崩している制服。 この姿は利翔だけのもの。 「……りか」 ほんとに小さく小さく呟いただけだったのに、利翔は振り向いた。