掴んだ利翔の手は、ペタッと余分な肉が無くて、大きくて、しっかりとしていた。

指はスッと細くて、綺麗なバランスだ。



ああ、こういうのが綺麗な手っていうんだ…と思いながらも、彼方の手を思い出す。



彼方の手も、すごくすごく綺麗だから。

あの手は神の手だ。いや、神様が丁寧に創った手だと思う。



あんなに綺麗な手はない……。



ふと、彼方の手について脳内で語っていると、ぐいっといきなり引っ張られた。

驚いて逆に引っ張り返してしまうと、ザッという音が聞こえて、視界が暗くなる。



びっくりして目を瞑った。