「………ありがと」
あたしは素直にお礼を言った。
すると、雅也くんは少し俯いていた。
(――?なんか…耳赤い?)
「別に……。ほら、行くぞ」
(もしかして、照れてる?)
実は優しい人なのかも。
道をスタスタと歩いていく雅也くんをあたしは慌てて追いかける。
「待ってよ!雅也くん!!」
ピタッ
歩いていた雅也くんが立ち止まってくるりとこちらを振り向いた。
「くん付けやめろ。」
「じゃあ、なんて……」
「"雅也"でいい」
「雅也…」
そう呟いたあたしに雅也は少し微笑んでまた歩きだした。
"雅也"
多分、あたしはこの時の彼の笑顔で彼に恋したんだ。


