「いいわけ」


 景色 不思議な そこに迷い出たら…

 私を睨んでいる

 空間に二つの目玉を見つけたとき

 はるかな旅人は、

 恋しい娘を、思い出していた。

 可愛い、あの視線と

 まったく同じ 熱い視線だった

 だから、恋に堕ちてしまったのだよ。

 思わず、その幻影を捕らえて

 ぎゅっと抱き寄せると

 やわらかな芳しい果実のような

 その唇を求めていたのだよ。

 甘い、その接吻に酔ってしまい、私は

 一匹の♂に成っていた。

 景色の内なる、暖色で描かれた曲面に…

 視線は誘い込まれ、欲情が滾っていた。