美しい野生の牝鹿よ、牡鹿が
奪い合うだけのことも有る。
あちらに美味しい草が生えていると
唆され、老いたハイエナの待つ、
こんな行き止まりに迷い込んで、
立ち竦んで、震えている。
快楽を与えてくれる『可能性』か…
それが何だと言うのか
快感が、どれだけ無駄に時を費やさせ、
文化が目減りしてきたか、
よもや汝は忘れはすまい。
私は、心の内で諭され、その牝鹿が
私に観られていない、後ずさり…
しているのに気が付かないフリをした。
そして、アタシは、自由の世界に
戻って来られたのです、めでたし、めでたし