センパイ

「俺、もう一度野球したい。」



うつむいて



呟くセンパイ。



「・・・だからアメリカで手術する。」




驚きの隠せない私を



笑顔で見ているセンパイ。




夢を叶えて欲しい。




それだけを想った。



「んじゃあ、壱んとこ戻れよ。」



気のせいかも知れないけど


少しセンパイの声が鼻声だった。