語りかけたのは愛さんにだった。



「ごめんね・・涼汰。」



泣きじゃくる愛さんを


抱きしめるセンパイに



かける言葉がなかった。




「葵にも迷惑かけたな。」



ふっと柔らかく笑って


センパイは愛さんを連れていった。





生徒会室の床を濡らした雨。


それは決して雨なんかじゃなかった。



私の涙だった。