「そろそろ、帰ろうか?
 写真も撮ったし。幽霊にも遭ったことだし」


つまんなそうな声で藍子が言うので、
おひらきにする。


「そうだね~郁、大丈夫?」


「何が?」


「なんて用だったかって聞いてるの」


「あ、それなら、『何か、危険な事が郁に起こりそうな
 気がしたからさ!大丈夫?こけたりしてない?』だって!」

「はぁ、そうかい。じゃ、ここら辺で私は帰るよ…」


疲れたと言う様に首を振って、藍子が校門に向かって歩いて行ってしまう。


『まってよ~』


2人でハモッてから、後を追うアタシと郁……