うどんを満足そうに食べた彼は、やはりいたずらっ子の様な笑顔だ。

「ねぇ、由紀ちん。」
「いきなり由紀ちんて…もっと他に呼び方あるじゃないですか。」
「由紀ち−ん、敬語やめようよ−。」
「あ、すいません。癖で。」

「なんで?なんで?」
「教えません。」

「ちぇっ。ねぇ、由紀ちゃんち行きたい。」
「(きた。)セックスしたいんですか?」
「違うよ−。俺、由紀ちゃんの事めっちゃタイプだし、どんな生活してるか見てみたいな−って思って。」
「…散らかってますけど。」


あたしは、またすぐ、
一瞬であたしの中を素通りして、通りすがりの人になる事を、
悟った。