「ホントに散らかってますよ?」
「別に気にしないっす。」


部屋はいつもキレイにしてある。
ほとんど帰る事がないから、
だからキレイなだけだ。


「由紀ちゃん、俺コーヒー飲みたくなっちゃったんだけど−。」
「それはつまり、コーヒーを用意しろって事ですよね?」

「わ−い。ありがとう。」


あたしは、コーヒーはブラックしか飲まない。
でも友達はミルクも砂糖も入れるから、必ず用意してある。


「どうぞ。砂糖もミルクもありますから。」
「俺、砂糖とミルク入れて飲む時とブラックと2パタ-ンかな。」
「パタ-ン?」
「一人の時はブラックで、幸せな時は砂糖とミルク入れて飲むの。」


いたずらっ子な笑顔になった。
幸せな時って今の事なんだろうか。