鬼と龍

逢が校舎によりかかって、
「シュラ??」

「逢、すまないな。俺たちのために。」

「いいよ。契約者になれたおかげで、自分の気持ちにも向き合えたし。」

自分の足元が透け始めてきた。

逢が
「肉体がなくなったらどこにいくの??」
シュラが
「魂だけになり、寿命がくるまで、誰にも見られずにこの世界を彷徨う。」


「そうか。」

シュラ
「本当にすまなかった。」

「凪が復讐から報われて、幸せになってくれるから、僕はいいよ。」

「バカ!!」
いきなり凪の声が響いた。

「……凪??」
もう腹部まで透けていた。
凪が逢の胸ぐらを掴んで、思い切りグーで殴った。
「イテッ~~。何すんだよ??」
逢が凪を見ると、凪は泣いていた。
凪が
「約束…したじゃん。闘いが…終わったら、シチュー…作ってくれるって…」
逢が
「……凪、……ゴメン。」

凪が
「シュラ、ネオ、なんとかならないの??」

ネオが
「私もシュラも記憶が完全に戻ったけど、……無理だ。」

凪が
「アンタがいないと……」
逢の体が全体が透けていた。もう凪は胸ぐらを掴めなかった。