鬼と龍

逢が気がつくと、闇の中だった。
刀で闇を切り裂こうとした瞬間、目の前で刀が砕け散った。
逢は闇にすべてを吸い込まれいった。
(生命エネルギーが吸い込まれているみたいだ。体の力が抜けていく。)


闇が消えると、逢はうつぶせに倒れていた。
「死んだか。」

もう一人の自分が笑っていた。
逢が薄くなっていく思考回路で
(俺死ぬのかな??ハハハ、結局何にも守れなかったな~。鬼の本質が破壊じゃ~、破壊を望むオレに勝てるわけないだよ。………刀も粉々に砕け散ったし。もう闘えないや。)



(眠いな~。すごく疲れた。全てを忘れて、寝よう。そうすれば、………楽になれるかな。きっと。)





「………ろ。」

(なんだろ声が聞こえる。どうでもいいや、疲れたよ。)