『殺される』
壱耶が、どこかの誰かに。
考えただけでも、体が震える。
壱耶がいなくなっちゃうなんて…
そんなのやだよ!!
壱耶は私を見るとふっと笑った。
「そんな簡単には殺されたりしない。もしもの話だ」
壱耶の言葉に、私は軽く頷いた。
「あとは、子供…産まれたって、マフィアになるんだ」
私と壱耶の子供…
子供が、いつ殺されるか分からない世界で生きることになる。
「魅羽の普通な人生を、俺なんかで壊したくない」
壱耶は苦しそうに呟いた。
「壱耶…」
私は、呟いた。
「ん」
壱耶は私をじっと見つめている。
「私は…」