驚いて壱耶の方を向く。



俯いている壱耶の顔は、髪の毛で隠れて見えなかった。



握られた手に力が込められた。



熱い。



壱耶の手の熱さが、握られた手から伝わってくる。



段々と、心臓がドキドキと音をたて始めた。



「魅羽…」



静かな屋上に、壱耶の声が響く。



「な、何…?」