「い…壱耶…?」 ぽへっとした壱耶の顔の前で、私は軽く手を振った。 「はへ……」 壱耶が声を出した。 は、はへって…! 「壱耶?大丈夫?」 私は壱耶の肩をぽんぽんと叩いた。 「ふは……」 目を見開いたまま壱耶は言った。 い、壱耶壊れた!? 「壱耶!しっかり!」 私は壱耶の耳を引っ張った。 ギュッ 「え…?」 壱耶に耳に添えた手を握られた。 「それ…マジ…?」