PURE ~ずっと忘れない~

「何が有ったの?」

あたしと、美月の前に麦茶の入ったグラスを置いた。


「妊娠した…。

相手は猛。まだ、病院には行ってないけど、検査薬で調べたら、反応出た…。」

俯いたまま、小さな、消えそうな声で、ポツリ、ポツリと話しをする美月の姿を

見てるのが辛くて、
そっと、美月の手を握りしめた…。


案の定、直樹君は突然の美月の妊娠告白
に、言葉を失っていたけど


「猛には、まだ話してないんだろ?

今から二人で話し合いしろよ。

今から呼ぶから。」

絨毯の上に置いて有った携帯を取ろうとした時、


「いい!止めて?

しなくていいから!」


そう叫びながら、電話をしようとした

直樹君に、美月が止めようとした。


「美月ちゃん!これは、お前一人の問題じゃ無い筈だ!

猛が、腹の中に居るかもしれない子供の父親なんだろ?

だったら、二人で話しするんだ!

産む、産まないは、病院行ってから、また話ししろ!」


直樹君の言葉で、美月の手が止まった。

それから、直樹君は、猛君の携帯に電話をして、呼び出した。