PURE ~ずっと忘れない~

あーーーっ!!

だから、直樹君が仕事中に此処に来たと?

「亜紀ちゃん?

一人の世界に入ってる所、悪いけどさ。
とりあえず出ない?」

はっ…!あたし、一人の世界に行ってた?

急に恥ずかしくなった。

「そだね…。」

会計を済ませて、外に出た。


「取りあえず、俺のアパート来る?」

「う…ん。ごめんね?迷惑かけて…。」

直樹君の単車に乗って、アパートに行った。


「お邪魔します。」
部屋に入ると、後ろから抱きしめられた。

えっ…。


「辛かったよな?
しんどかったよな?
そんな時、側にいれなくて……ごめん」

抱きしめられた腕に力が入った。


「ごめん…なさい。迷惑かけて…。」

自然と、涙が溢れた。

だって…あまりに直樹君が優し過ぎるから…。

人を愛するって、きっと…こんな事なんだ…。

何かを犠牲にしてでも、好きだと感じた相手に温もりを与える…。

時には、笑って…。
時には、心配して…。

時には、一緒に泣いて…。


悲しかったり、不安だと気付いたら、


こうやって、抱きしめてあげる…。

その、考えが間違いなのか、合っているのか、まだ分からない…。


あたしを抱きしめてくれてる、この腕を離さない…。

離したくない…。