「死んじゃったら、結婚出来ない…じゃん…。

直樹君の…嘘つき…。ずっと…一緒にいるって…約束したじゃない…。」


フラリと机に向かった。

「直樹君…一人じゃないよ?あたしも一緒だよ…?」

チキチキチキ…。


カッターの刃を手首に当てた。

「もうすぐ…行くね…。そこで、待ってて?」

切ろうと目をつむった時だった。

「亜紀ぃ。」

ドアが開いた。

「ちょっ…亜紀何やってんの!!」

お姉ちゃんが、あたしの右腕を掴んだ。
「邪魔しないで!

あたしも死ぬぅ!

直樹君とこ行きたいのぉ!

一人じゃヤダよぉ!」

「お父さん!亜紀が!亜紀が!」

暴れるあたしに、お姉ちゃんが敵わないと感じたのか、お父さんを呼んだ。

「どうした?真紀。」

お姉ちゃんの声を聞き付けて、階段を走りながらお父さんが来た。