「そろそろ、行く…か?」

「うん。」

なるべく笑顔でいたい。

これは、別れじゃないんだから…。

あたしの側には、いつだって直樹君がいる…。

いつもの様に、専用ヘルメットをかぶって、直樹君のお腹に腕を回す。

「行くぞ…。」

心なしか、直樹君の声が震えてる。

「いいよ?」

エンジンをかけて、発進した…。

ヘルメットで顔が分からない。

直樹君…今、どんな顔してる?