「ゆっくり、決めれば?


社会に出れば、嫌でも働かないといけないんだしさ?」


「そうだけど、小遣い位は自分で稼ぎたいの。」


パタンと情報誌を閉じると、直樹君が

あたしの髪を耳にかけて、耳を甘噛みしてきた。


初めての事に、どんな反応していいか分からなくて、固く目をつむった。


「そんなに、固く目を閉じなくてもいいのに…?」

余裕有る言葉に少しムッときた。


「だって…。分かんないんだもん。

どうしたらいいか、分かんないよ…。

直樹君は、経験有るんだろうから、余裕なんだろうけどさぁ…?」


ふて腐れ気味に行った。