PURE ~ずっと忘れない~

「ごめん…。」

あたし達は、真っ白な部屋の、消毒液臭い部屋の中、長い…長いキスをした。


コンコン。

また、ドアをノックする人がいた。

「はい…。」

直樹君がドアを開けてくれた。

「あなた…誰?」

「あの…俺は、亜紀の……あっ、いえ

亜紀さんとお付き合いさせていただいてます、柳原 直樹と

申します。初めまして。」

軽く会釈した。

「あなたが、彼?

初めまして。亜紀の母親です。」

「亜紀、どうなの?
腕を怪我して、何針か縫ったって聞いて、びっくりしたわ。
傷はどうなの?」

さっきまで直樹君が座っていた、椅子にお母さんが座る。

「今、麻酔が効いてるけど、あと少しで麻酔がきれるらしいよ?」

「そう…。あなたが、怪我の原因なの?」

直樹君の方に視線を移した。

「違うの。彼は、心配して、仕事の途中駆け付けてくれただけなの。彼は、何も
悪くないの。」

「じゃあ、何であなたが、こんな怪我してるの?」

「それは…。」

言いかけた時、廊下にいた、美月が入ってきて

「すみません!

私が悪いんです…。私が、いけないんです!」

直樹君と、お母さんが美月を見た。

「どういう事?

美月ちゃんが、原因なんて…。

何が有った?」

「ごめん…なさい。実は…。」


部屋で有った全部を話し始めた。