「大野には、関係ない」


「は?」


「わたしが誰とどこへ行こうが、大野には関係ない」


小さく呟く。


そう、大野には関係ないんだ。


彩香の『彼氏』である大野には。


「ああそうかよ」


わたしの言葉に、ぶっきらぼうに大野は答えた。


そして、


「とりあえず部活サボることは許さねえ」


そう言って、またわたしの腕を強く掴み歩きだした。