「……」 彩香の言葉を待つ時間は とても長くて ザワめく胸が止まらなくて ああ わたしはなんてズルイんだろう 『別れる』 その言葉を 親友の恋が終わる言葉を ドキドキしながら 待ってるわたしは…… 「……真治とは別れないよ」 「え?」 願っていた正反対の言葉に思わず聞き返した時、 「だってわたし……真治も好きなんだもん」 足が震える。 「そんなこと……出来るの?」 自分のことを棚に上げて、彩香を追い詰める言葉を口にする。 ・