色つきリップ〜紅い唇〜

 


「だって、大野は!?」


思わず出してしまった大きな声に自分自身も驚いて。


「真治は……わたしのこと見ていないような気がする」


胸がザワザワして


「でも……」


「斎藤くんとわたし……、部活一緒でしょ?ずっとカッコイイなと思ってて」


「でも……!!」


「今日……美咲を思う斎藤くんを知って……『こんな風にわたしも想われたい』って、少し、そう思った」


ザワつく胸を押さえながら、わたしは彩香に聞いた。


「じゃあ、大野とは別れるの?」




ワタシハ


ズルイ