色つきリップ〜紅い唇〜

 


「わたしさ、美咲に『受験勉強の合間の遊び相手でもいいんじゃない?』って言ったけど……やっぱり、そんな気持ちで付き合うのは斎藤くんに悪いよ」


「……」


「ねえ美咲?」


「……ん?」


「斎藤くん……すごくいい人だよ?」


「ん、わかってる」


「……美咲さ、なんで斎藤くんの告白断ったの?斎藤くん、傷ついてたみたい……」


「彩香、わたし……」


「……ごめんね美咲、美咲が悪い訳じゃないのはわかってるんだけど」


「ううん、わたしが……わたしが悪いんだよ」