「わたし、変わりたいの」


俯きながら言った。


「このままじゃ、今のままじゃ……嫌なの」


「お前はお前だよ」


優しいその口調に、大野を見上げた。


わたしの隣で、部室の窓に腰掛けた大野はわたしを見ていて。


「オレら、まだ中学3年生だぜ?
オレもお前も、これからいくらでも変わってくよ……嫌でもな」


「嫌でも?」


切れ長のその大野の目を覗き込みながらわたしは言った。


「大野は……変わったよ」


苦しいくらい


わたしをドキドキさせる


『男の人』