色つきリップ〜紅い唇〜

 


「笑えよ」


大野が言う。


「……オレが幸せにしてやるから」


離したくない
離れたくない



大野……
幸せになんてしてくれなくていい


「側にいて……」


自分勝手なこの唇で、わたしは大野に呟いた。





このままでいい
このままがいい


サナギのままで


大野の腕の中で


『時間』なんていらない


『変化』なんていらない



大野の大きな手が
わたしの涙を拭う


何か言って?
ううん
何も言わないで……


キスが欲しいから