色つきリップ〜紅い唇〜

 


「……」


大野は掴んだわたしの手をそっと離した。


「話ってなんだよ?」


「……」


大野に掴まれた腕は熱くて。


掴んだ腕を離してくれた大野の優しさは痛くて。


「わたし……」


大野に近付いたのはわたし。


大野の言葉を聞かなかったのはわたし。


大野を傷つけたのはわたし。


「ごめんね……」


「何だよ、それ」


「……ごめんね」


「……」