色つきリップ〜紅い唇〜

 

体育館の出口で上履きを急いで履きながら、大野の姿を探した。


振り向きもせず歩き続ける大野の大きい背中は遠く遠く小さくなって行く。


「大野……っ」


さっき脱ぎ散らかした上履きは、焦っているからかなかなか履けなくてもどかしい。


上履きの踵を踏んだまま突っかけるようにして、わたしは大野の背中を追う。


きちんと納まっていない足は歩きにくくてもどかしく、少しイライラした。