色つきリップ〜紅い唇〜

 


「……うぜー」


大野の一言が胸を貫く。


『うざい』……本当にわたし、その通りだ。


大野には彼女がいるのに。


今日の大野はイライラしていたのに。


今考えればカバンなんて後でもよかったのに。


でも部室の前で大野を待っていたわたし。


待っていたかったんだ。


大野が……好きだから。


「うざくて……ごめんね」


そう言うしか出来ない。


「ケガさせて……ごめんね」


大粒の涙が滑り落ちた。