色つきリップ〜紅い唇〜

 


「こんなのかすり傷だよ」


「ダメです。わたしが大野キャプテンに怒られますから」


桃ちゃんはそう言って、部員用の救急箱を開けた。


「棚が倒れるなんて……危ないですね。先輩、他にケガは?」


桃ちゃんは傷の手当てをしながら心配そうにわたしに言った。


「ありがとう桃ちゃん。本当に大丈夫なの。大野がかばってくれたから。
わたしより大野は……ケガしなかったのかな」


「大野キャプテン?何も言ってなかったですけど……でも今日は『見学する』って言ってて、珍しいなと思っていたんですけど」