色つきリップ〜紅い唇〜

 


「は、離して……!」


気付いたら力いっぱい大野を突き飛ばしていた。


大野の体から勢いよく離れた反動で、わたしはスコアブックの棚にぶつかって倒れた。


わたしがぶつかった拍子に傾いた木製の古い棚。


スローモーションのように自分に降ってくる棚とスコアブックを、わたしは呆然とそれを見ていた。



ぶつかる!!


そう思って目をギュッと閉じた瞬間、ドーンという大きな音がわたしの上に降って来た。


「……?」


痛みひとつ感じない自分の体が不思議で、恐る恐る目を開ける。


「……大野!!」