「ねえ、美咲先輩……もしかして、大野キャプテンと付き合ってるとか……?」


「そんなのないよ〜」


「でも、大野キャプテンは間違いなく美咲先輩のこと……」


「大野、彼女いるよ」


桃ちゃんの言葉を遮り、はっきりした口調でわたしは答える。


「大野、わたしの親友と付き合ってるんだ。だから、わたしにも優しいの」


桃ちゃんが驚いた顔をしたのを横目で見ながら、わたしはまたコートに目を移す。


また大野と目が合い、Vサインを交わした。