……まぁ、そのときはそれどころじゃなくて覚えてないんだけどね…。



「もうしょうがないなぁ…」


津賀はオレの手を引っ張って、教務室を出た。



そのときは怖くて暗くて気付かなかったけど、だんだん歩くにつれてこの状況が恥かしくなってきた。

津賀と手をつないでる…




ドキドキした






ああ、これが恋なんだ。



オレ恋してんだ…






体育館倉庫に着いた。

「チヨりーん、はるちゃーん…」


渋谷の声がしたと同時に手が離れた。


「もうみんな逃げるんだもん。」


津賀が言った。

倉庫の窓から渋谷の顔がのぞく。


「チヨりん怖くなかったの?」

「全っ然!」

「頼もしいなぁ…で、はるちゃんは?」

「瀬名きゅん、ビビって動けなくなってんの!」

「ダサっ!?」

「伊藤くんには言われたくないね!逃げたくせに!」

「逃げたんじゃねーよ。くだらないと思っただけ。」

「はい、うっそ~!」

「嘘じゃない。」

「嘘だね。」

「はいはい…どっちでもいいよ。おしまい、おしまい。」


渋谷がオレと伊藤くんに割って入る。