オレ達は渋谷の合図でそれぞれ机の中を物色した。



…教師も人間だ。

生徒や周りには隠したいことの一つや二つ持ってるに違いない。

案の定、オレらの担任の猪俣 光三(イノマタ コウゾウ)は、大のアイドル好きらしい。引き出しの中にプロマイドや雑誌の切り抜きがたくさん入ってる。


「見ちゃいけなかったな…」


オレの中に閉まっておこう。見てないよ、先生…


渋谷を見ると、ある教師の机の前で腕を組んでいる。



「何してんの?」

「コイツが怪しい…」

「中調べた?」

「うん。…ここだけ開かない。」


それは3段ある引き出しの一番下の引き出しで、1段2段目よりもデカかった。


そこに伊藤くん、津賀、日向も来た。

「よし、開けよう。」

「でも、鍵ないじゃん。」

「力づくで開ける!」

渋谷は引き出しを強く引っ張った。


「待って、オレが開けるよ。」


そう言ったのは、伊藤くん。

「日向、ピンとか持ってない?」

「ピン?これしかないけど…」

日向は髪についていた黒のピンを伊藤くんに渡した。