「今、入ったんだよ!放送部!」

「ふざけんな!…入ってねーよ!返せよ、それ。」

「やだやだやだやだ!」


冗談じゃない。コイツといると変なことに巻き込まれる。

小学のときだってそうだ。


コイツが創った『正義の味方ヒーローマン』に強制的に入れられ、コンビニ泥棒を捕まえたとき。

…本当は泥棒じゃなくて、コンビニの店長で、エプロンしてなかっただけだったんだよな…あの後、ひどく親に叱れた。


そんな苦い、嫌な思い出しかない。



「おい!マジ、ふざけんな!」

「これほしけりゃ、ここまでおっいで~!」

「ちょっと!?」


マジ殴る。
オレが走るの遅いの知ってて、逃げやがった!


それでも走らずにはいられなかった。


絶対、ヤバイことに巻き込まれる。
なんとかして阻止しなきゃ、自分の生命に関わる。


「おまえ!いいかげんにしろよ!」

「あきらめて!瀬っ名くーん!」


だめだ…



足が遅いから、差が開く。
運動音痴で、スポーツ全般全部だめ。いつもビリから2、3番目。…まぁ、ビリじゃないだけいいけど…。