その日は、休み時間も昼も放課後も渋谷は来なかった。

やっと、オレの思いが通じた。これでよかった…



それから土曜日も日曜日もいつもと変わらない日が続いた。

ただ…日曜の夕方、偶然二階堂と桜井が一緒にいるとこを見てしまった。


楽しそうに手をつないで、恋人同士みたいに…


山口は気付いてないのか?

気付いてても言えないよなぁー…だって、そしたら恋人も友達もいっぺんに失うことになる。




翌日、オレの机の目の前に二階堂と山口がいた。

「昨日、電話したのになんででなかったの?」

「え?あー…なんかイタ電多くて、電源切ってた。」


嘘つけ!
今斜め向かいにいる桜井と会ってたんじゃねーか。

「そうなの?着拒すればいいじゃん?」

「ああ!そうだよな!そのテがあった。」


携帯を開く。
多分、フリだろうけど…


「昨日暇で、真歩にも電話したんだけど、通じなくて。」

「あー…そうなんだ…」

「2人そろってだったから何かあったのかと思った。」

「何にも、ないよ…」

「そうだよね。」


「ハナカぁ!ちょっと来て!」

その何かしてるもう一人、桜井が山口を手招きした。