「はあ・・・・はあ・・・・。」
彼女は体力がないせいか、息が上がっている。


拓斗はそこで正気に返ったらしく、慌てて謝った。
「ごめん!百合亜・・・つい・・・・。」
そう言っても百合亜はもう拓斗の方を見ようともしない。



「大丈夫・・・?」
力が抜けてへたりこんでいる百合亜を起こそうと拓斗が近寄ると、彼女は怯えた表情で打ち震えた。



その様子を見た拓斗は哀しそうな表情を浮かべると静かに教室を出て行った。





彼女はしばらくずっとそのままの状態でいた。
百合亜は怖くて怖くて仕方がなかった。
ずっと友達だと思っていたのに裏切られた気分になった。






それ以来百合亜は男を避けるようになった。